経営会議の議事録を、まだ手作業で書いていませんか。録音を聞き返し、発言を整理し、決定事項をまとめ、関係者にメールで共有する。この一連の作業に、担当者は1回の会議あたり30分〜1時間を費やしています。
月に10回の会議があれば、議事録だけで月5〜10時間が消えます。しかも、この作業は「書く人」によって品質がバラつきます。決定事項が抜けていたり、ニュアンスが変わっていたりして、後から「あのとき何を決めたんだっけ?」と確認作業が発生するケースも珍しくありません。
本記事では、Claudeを使って議事録を自動化する方法を3段階で解説します。コピペで使えるプロンプトテンプレートから、Claude Codeによる完全自動化パイプラインまで。段階に応じて選べる構成にしています。
議事録作成に月10時間使っている現実
議事録作成は、実は4つの工程で構成されています。それぞれにかかる時間を分解すると、無駄が見えてきます。
4つの工程と所要時間
- 録音確認・テキスト化:15〜20分(60分の会議の場合)
- 構造化・整理:10〜15分(発言を項目別に整理する作業)
- 決定事項・TODO抽出:5〜10分(誰が・いつまでに・何をするかの整理)
- 共有・配信:5分(メール作成・送信)
合計すると、1回の会議につき35〜50分です。週に3回会議がある企業なら、月に約10時間が議事録作成に消えている計算です。
たとえば、当社が支援するある経営者団体では、月例の経営勉強会(90分)の議事録を毎回2名体制で作成していました。録音の聞き返しに30分、整理に20分、確認・修正に15分。合計で1回あたり延べ2時間以上を費やしていました。参加者12名への共有メールの作成も含めると、事務局の負担は無視できないレベルでした。
品質のバラつきという隠れたコスト
時間の問題以上に深刻なのが品質のバラつきです。書く人によって、記録する粒度が違います。ある人は発言をほぼそのまま記録し、別の人は要点だけを箇条書きにする。結果として「先月の議事録にはこの話が載っているのに、今月はない」という状態が生まれます。
経営会議では、決定事項とその背景(なぜそう決めたか)が記録に残っていないと、後から意思決定の経緯を追えなくなります。これは経営リスクです。
Claudeで議事録を自動化する3つの方法
Claudeを使った議事録自動化には、3つのレベルがあります。自社のITリテラシーや予算に合わせて選んでください。
レベル1:手動コピペ(今日から始められる)
最もシンプルな方法です。会議の録音をNottaやWhisperで文字起こしし、そのテキストをClaudeに貼り付けて整理させます。必要なのはClaude Pro(月額$20)だけ。特別な設定は不要で、今日から始められます。
この方法だけでも、「構造化・整理」と「決定事項・TODO抽出」の工程が5分以内に短縮されます。
レベル2:プロジェクト機能で品質を固定する
Claudeのプロジェクト機能に、議事録のフォーマットや参加者一覧、過去の議事録を登録しておく方法です。毎回「出力フォーマットはこうで……」と指示する手間がなくなり、品質が安定します。
プロジェクト機能のカスタム指示に出力テンプレートを登録し、ナレッジに参加者リストや社内用語集をアップロードしておけば、「文字起こしを貼るだけ」で統一フォーマットの議事録が出力されます。
レベル3:Claude Codeで完全自動化する
文字起こしから整理、共有まですべてを自動化する方法です。人間が行う作業は「会議室で録音ボタンを押す」だけになります。後述するパイプラインを構築すれば、会議終了後に自動で議事録が生成され、関係者にメールで共有されます。
当社が保険代理業の事業協同組合向けに構築したパイプラインでは、Notta(文字起こし)→ Google Drive(保存)→ Claude Codeスキル(構造化)→ Gmail下書き(共有)→ PDF保存(アーカイブ)の流れを完全自動化しています。事務局の議事録作成時間はゼロになりました。
コピペで使える議事録プロンプト(テンプレート掲載)
レベル1・レベル2で使えるプロンプトテンプレートを掲載します。文字起こしテキストと一緒にClaudeに入力してください。
基本テンプレート
以下の会議の文字起こしを、指定フォーマットで議事録にまとめてください。
## 出力フォーマット
1. 会議概要(日時・参加者・議題)
2. 議論の要点(議題ごとに3〜5行で要約)
3. 決定事項(箇条書き。「誰が」「何を」「いつまでに」を明記)
4. 保留事項(未決定の論点と次回までの宿題)
5. 次回会議の予定
## ルール
- 発言者名は敬称略で統一する
- 数値・固有名詞は文字起こしの表記をそのまま使う
- 意見が分かれた論点は、双方の主張を併記する
- 決定事項には必ず期限を記載する(文字起こしに期限がない場合は「期限未定」と記載)
## 文字起こし
(ここに文字起こしテキストを貼り付け)
経営会議向けテンプレート
経営会議では、数字の正確性と意思決定の経緯が特に重要です。以下のテンプレートは、その2点を強化した経営会議専用版です。
以下の経営会議の文字起こしを、指定フォーマットで議事録にまとめてください。
## 出力フォーマット
1. 会議概要
- 日時・場所
- 出席者(役職付き)
- 欠席者
2. 経営数値の報告(言及された数値をすべて表形式で記載)
| 項目 | 数値 | 前月比 | 備考 |
3. 議題ごとの議論要約
- 議題名
- 背景・問題提起
- 主な意見(発言者名付き)
- 結論
4. 決定事項
| 決定内容 | 担当者 | 期限 | 備考 |
5. 保留・継続検討事項
6. 次回アジェンダ(案)
## ルール
- 売上・利益・件数などの数値は、文字起こしの値をそのまま転記する
- 「〜だと思う」「〜かもしれない」等の推測表現は、事実と区別して記載する
- 意思決定の理由(なぜそう決めたか)を必ず記録する
## 文字起こし
(ここに文字起こしテキストを貼り付け)
このテンプレートを使えば、60分の経営会議の議事録が3〜5分で完成します。手作業で30分かかっていた工程が大幅に短縮されます。
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Claude Codeで完全自動化するフロー(Notta→Drive→スキル→Gmail)
ここからはレベル3の完全自動化について解説します。当社が保険代理業の事業協同組合向けに構築した実際のパイプラインをベースに説明します。
パイプラインの全体像
全体の流れは以下の5ステップです。
- Nottaで文字起こし:会議の録音をNottaが自動でテキスト化。Google Driveに自動エクスポート
- Google Driveで受け取り:指定フォルダにテキストファイルが保存される
- Claude Codeスキルで構造化:フォルダを監視し、新しいファイルが入ったらスキルが自動起動。議事録フォーマットに変換
- Gmail下書き作成:構造化された議事録を本文に含むメールの下書きを自動生成。参加者のメールアドレスも自動挿入
- PDF保存:議事録をPDF化してアーカイブフォルダに自動保存
保険代理業の事業協同組合での運用実績
保険代理業の事業協同組合では、毎月の勉強会(約90分・参加者12名)でこのパイプラインを運用しています。導入前は事務局2名が合計2時間以上かけていた議事録作成が、完全に自動化されました。
会議終了後、Nottaの文字起こしが完了するまでに約10分。その後Claude Codeスキルが起動し、構造化・メール下書き作成・PDF保存まで約3分で完了します。事務局が行うのは、Gmail下書きの内容を確認して送信ボタンを押すだけです。
導入の副次効果として、議事録の品質が安定しました。書く人によるバラつきがなくなり、毎回同じフォーマットで決定事項・TODO・保留事項が整理されます。過去の議事録を検索する際にも、フォーマットが統一されているため目的の情報にたどり着きやすくなりました。
構築に必要なもの
- Notta(文字起こしサービス。月額約2,000円〜)
- Google Workspace(Drive・Gmail)
- Claude Code(開発者向けCLI。API従量課金)
- 初期構築の技術サポート(自社で構築が難しい場合)
Claude Codeを使ったパイプライン構築には、CLIの操作やスキル定義の知識が必要です。自社にエンジニアがいない場合は、外部の支援を活用することを推奨します。
経営会議の議事録で特に重要な3要素
日常的な打ち合わせと経営会議では、議事録に求められる品質が違います。経営会議の議事録で特に押さえるべき3つの要素を解説します。
要素1:意思決定の経緯を残す
「何を決めたか」だけでなく「なぜそう決めたか」を記録してください。経営判断は半年後、1年後に振り返ることがあります。そのとき「なぜこの方針にしたのか」がわからないと、判断の妥当性を検証できません。
たとえば「新規事業Aへの投資を見送り」という決定事項だけでは不十分です。「市場調査の結果、競合3社が先行しており差別化が困難と判断。代替案として既存事業Bの強化を優先する方針に決定」——ここまで記録して初めて、経営判断の根拠が残ります。
先ほど掲載した経営会議向けプロンプトテンプレートには、この「意思決定の理由を記録するルール」を組み込んであります。
要素2:数値は1円単位で正確に
売上・利益・予算などの数字は、文字起こしの値をそのまま転記してください。AIが勝手に四捨五入したり、単位を変換したりすると、後から帳票との照合ができなくなります。
プロンプトで「数値は文字起こしの表記をそのまま使う」と明示するのが重要です。Claudeは指示がないと「約1,200万円」を「約1,200万」に丸めることがあります。テンプレートにルールとして入れておけば、この問題は防げます。
要素3:アクションを「誰が・何を・いつまでに」で明記
議事録の最大の目的は、次のアクションを明確にすることです。「引き続き検討する」ではなく、「田中が4月15日までに競合3社の価格調査を完了し、次回会議で報告する」——この粒度で記録します。
Claudeは文字起こしから担当者名と期限を自動で抽出します。ただし、会議中に期限が明示されていない場合は「期限未定」と出力されるよう、プロンプトで指示しておいてください。期限のないTODOは実行されません。これは議事録の問題ではなく、会議運営の問題ですが、議事録フォーマットで「期限欄」を必須にすることで、会議中に期限を決める習慣が自然と定着します。
まとめ
議事録の自動化は、3つのレベルから自社に合った方法を選べます。今日からできるコピペ運用(レベル1)、プロジェクト機能で品質を固定する方法(レベル2)、Claude Codeによる完全自動化(レベル3)。まずはレベル1のプロンプトテンプレートから試してみてください。
Claudeのビジネス活用全般については、Claude法人活用 完全ガイドで体系的にまとめています。
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