「競合分析をやらなきゃいけないのはわかっている。でも時間がない」。経営者との会話で、この言葉を何度聞いたかわかりません。
競合のWebサイトを1社ずつ見て、料金を調べて、特徴をExcelにまとめて、ポジショニングマップを描いて。真面目にやれば丸1日かかります。でも、Claudeを使えば30分で終わります。
この記事では、Claudeで競合分析を30分で完了させる具体的な手順を解説します。コピペで使えるプロンプトテンプレート付きです。
競合分析に丸1日かけていた時代は終わった

従来の競合分析は、とにかく手作業が多い業務でした。
たとえば、自社のAI研修サービスの競合を調べるケースを考えます。「AI 研修 法人」で検索して、上位20社のサイトを開く。料金ページを探し、サービス内容をメモする。それをExcelに転記して比較表を作る。ここまでで3〜4時間です。
さらにポジショニングマップを描こうとすると、軸の設定から始まります。PowerPointで図を作り、各社をプロットする。SWOT分析まで入れると、もう1日仕事です。
問題は「時間がかかること」だけではありません。手作業だと、調べる範囲が限定されます。20社調べるのが精一杯で、本来見るべき異業種の競合や、新規参入プレイヤーを見落とします。
Claudeを使うと、この構造が変わります。情報の整理・構造化・分析をAIに任せることで、人間は「判断」に集中できます。30分のうち、Claudeが動いている時間は20分。残りの10分で、経営者として「で、ウチはどうする?」を考える。これが本来の競合分析の姿です。
Claudeで競合分析を30分で終わらせる手順

全体の流れは3ステップです。所要時間の目安も示します。
Step 1:競合リストの作成(5分)
まず、Claudeに競合候補をリストアップさせます。自社のサービス概要を伝え、「直接競合」「間接競合」「代替手段」の3軸で出してもらいます。
たとえば当社(株式会社Saix)の場合、直接競合は「AI研修を提供する他社」、間接競合は「DX研修会社やITコンサル」、代替手段は「社内での独学やYouTube学習」です。Claudeに業界と自社ポジションを伝えるだけで、この分類が自動で出てきます。
ポイントは「自社が見落としがちな競合」も聞くことです。「異業種から参入してきそうなプレイヤーは?」と追加で質問すると、盲点だった企業が出てくることがあります。
Step 2:比較表の自動生成(15分)
競合リストが決まったら、比較軸を指定して表を作らせます。比較軸の例は、料金体系、対象業種、提供形態(オンライン/対面)、導入実績、差別化ポイントです。
Claudeに各社のWebサイトURLを渡し、「この5軸で比較表を作ってください」と指示します。表形式で出力されるので、そのままスプレッドシートに貼り付けられます。
実際にやってみると、自社の料金が業界平均より高いのか安いのか、提供内容のどこが独自なのかが一目でわかります。「なんとなく」ではなく数字と事実ベースで把握できるのが強みです。
Step 3:分析と示唆の抽出(10分)
比較表ができたら、Claudeに分析を依頼します。「この比較表から、当社の競争優位と弱点を指摘してください」と聞くだけです。
Claudeは比較表のデータをもとに、「価格帯は中位だが、経営者向けに特化している点が差別化要因」「一方で、導入実績の数が競合より少ない」といった示唆を返してくれます。人間が数時間かけて考える分析が、数十秒で出てきます。
コピペで使える競合分析プロンプト

実際に使えるプロンプトを3パターン紹介します。自社の情報に書き換えてそのまま使ってください。
パターン1:競合リストアップ用
# 競合分析:リストアップ ## 自社情報 - 会社名:[自社名] - サービス:[サービス概要] - ターゲット:[対象顧客] - 価格帯:[月額○万円〜] ## 依頼 以下の3分類で競合を各5社リストアップしてください。 1. 直接競合(同じサービスを同じターゲットに提供) 2. 間接競合(異なるアプローチで同じ課題を解決) 3. 代替手段(顧客が自社サービスの代わりに選ぶ手段) 各社について、社名・URL・主力サービス・推定価格帯を記載してください。
このプロンプトのポイントは「3分類」を指定している点です。直接競合だけを見ていると、本当の脅威を見落とします。たとえばAI研修の場合、最大の競合は他の研修会社ではなく「ChatGPTを社員が勝手に使い始めること」かもしれません。
パターン2:比較表作成用
# 競合比較表の作成 ## 対象企業 [企業A]、[企業B]、[企業C]、[企業D]、[自社名] ## 比較軸 1. 料金体系(初期費用・月額・最低契約期間) 2. サービス内容(提供形態・カリキュラム・サポート体制) 3. 対象顧客(企業規模・業種・役職) 4. 導入実績(公開されている事例数・業種) 5. 独自の強み(他社にない特徴) ## 出力形式 Markdown表形式で出力してください。 最後に「自社の競争優位ポイント」と「改善が必要なポイント」を3つずつ箇条書きで追記してください。
比較軸は業界によって変えます。SaaS企業なら「無料トライアルの有無」「API連携数」を入れる。飲食なら「客単価」「席数」「立地」が軸になります。自社の意思決定に必要な軸を選んでください。
パターン3:差別化戦略の策定用
# 差別化戦略の検討 ## 前提 [上記の比較表を貼り付け] ## 依頼 この比較表をもとに、以下の観点で分析してください。 1. 自社が勝てる領域(競合が手薄で、自社が強い部分) 2. 競争が激しく避けるべき領域 3. 今後6ヶ月で強化すべきポイント(具体的なアクション付き) 4. 競合が今後仕掛けてきそうな施策の予測
このプロンプトで重要なのは「避けるべき領域」を聞いている点です。勝てる場所を探すだけでなく、戦わない場所を決めることが戦略です。Claudeは感情なしに「ここは勝てません」と言ってくれます。経営者にとって、これほど貴重なフィードバックはありません。
ポジショニングマップの自動生成

競合分析で最も「見える化」の効果が高いのが、ポジショニングマップです。2軸のマトリクスに自社と競合をプロットし、市場での立ち位置を可視化します。
軸の設定をClaudeに任せる
ポジショニングマップの難しさは「どの2軸を選ぶか」です。ここもClaudeに壁打ちできます。
「AI研修業界のポジショニングマップを作りたい。顧客が購買判断で重視する要素を5つ挙げて、その中から最も差が出る2軸を選んでください」と指示します。
Claudeは「価格帯(低〜高)」「カスタマイズ度(汎用〜完全個別)」「対象レベル(初心者〜上級者)」「提供形態(オンライン〜対面)」「業界特化度(汎用〜特定業界)」のように候補を出し、「最も差別化が見えるのは『価格帯 × カスタマイズ度』の組み合わせ」と推薦してくれます。
マップの描画指示
軸が決まったら、以下のように指示します。
以下の企業をポジショニングマップにプロットしてください。 - X軸:価格帯(左:低価格 → 右:高価格) - Y軸:カスタマイズ度(下:汎用パッケージ → 上:完全個別設計) 企業リスト: - A社:月額5万円、パッケージ型 - B社:月額30万円、業界別カスタマイズ - C社:月額10万円、セミカスタマイズ - 自社:月額15万円〜、経営者向け完全個別 テキストベースのマップで出力してください。
Claudeはテキストベースでマップを出力します。これをPowerPointに貼り付ければ、そのまま社内共有や提案資料に使えます。
当社のケースでは、このマップを作った結果「価格は中位だが、経営者特化×完全個別という象限に競合がほぼいない」ことが明確になりました。言葉ではわかっていたつもりでも、マップで見ると確信に変わります。
SWOT分析をClaudeに壁打ちする方法

SWOT分析は知っている人が多い反面、「自分でやると甘くなる」というのが正直なところです。強みは過大評価し、弱みは目をそらす。これは人間の性質なので仕方ありません。
だからこそ、Claudeに壁打ち相手をさせるのが効果的です。
SWOT分析プロンプト
# SWOT分析 ## 自社情報 - 会社名:[自社名] - 事業内容:[概要] - 従業員数:[人数] - 主要顧客:[対象] - 売上規模:[概算] ## 競合情報 [比較表を貼り付け] ## 依頼 以下のルールでSWOT分析を行ってください。 1. 各象限3〜5項目 2. 「強み」は競合比較で客観的に裏付けられるものだけ記載 3. 「弱み」は経営者が目をそらしがちな点も遠慮なく指摘 4. 「機会」は6ヶ月以内に着手可能なものを優先 5. 「脅威」は発生確率と影響度の2軸で優先順位をつける 最後に、SWOTのクロス分析(強み×機会、弱み×脅威)から導かれる戦略オプションを3つ提案してください。
このプロンプトの肝は「ルール3」です。「目をそらしがちな弱みも遠慮なく指摘」と明示的に許可を出すことで、Claudeは忖度なしに弱点を突いてきます。
たとえば当社のケースでは、「経営者1人に依存しており、スケーラビリティに課題がある」という指摘が返ってきました。わかっていたことですが、文字で突きつけられると対策を考えざるを得なくなります。これがAIに壁打ちさせる価値です。
クロスSWOTで戦略に落とし込む
SWOT分析で終わると「で、どうするの?」になりがちです。だからクロス分析まで一気にやらせます。
「強み × 機会」は攻めの戦略です。「経営者特化の知見(強み)× AI研修需要の拡大(機会)→ 経営者向けAI研修のポジションを先に取る」のように具体的なアクションが導き出されます。
「弱み × 脅威」は守りの戦略です。「1人依存の体制(弱み)× 大手参入の可能性(脅威)→ 仕組み化とパートナーシップで属人性を下げる」。ここを避けずに直視するのが、経営者としての仕事です。
Claudeに壁打ちさせるだけで、コンサルタントに依頼すれば50万円以上かかる分析が30分で手に入ります。もちろん、コンサルタントの業界知見やネットワークまでは代替できません。しかし「初期分析の叩き台」としては十分すぎる品質です。
まとめ

Claudeを使った競合分析のポイントを整理します。
まず、競合リストは「直接競合・間接競合・代替手段」の3軸で出す。次に、比較表は自社の意思決定に直結する軸を設定する。ポジショニングマップで「戦わない場所」を決める。SWOT分析はクロス分析まで一気に行い、戦略アクションに落とし込む。
この一連の作業が30分で完了します。従来は丸1日かけていた仕事です。浮いた時間を「分析結果をもとにした意思決定」に使ってください。
Claudeのビジネス活用についてさらに知りたい方は、Claude(クロード)ビジネス活用完全ガイドもあわせてご覧ください。
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