「提案書を1本作るのに2〜3時間。それが毎週2〜3本。月に換算すると30時間以上を提案書だけに費やしている」。中小企業の経営者なら、心当たりがあるのではないでしょうか。
当社(株式会社Saix)では、Claude Codeのカスタムスキルを設計したことで、提案書作成を2〜3時間から5分に短縮しました。削減率は96%です。
この記事では、なぜここまでの削減が可能になったのか、具体的にどう仕組みを作ったのか、そして再現するための手順を全て公開します。
提案書作成に2〜3時間かかっていた理由
提案書作成が時間のかかる業務になっている原因は、大きく5つあります。
1. テンプレートを探す時間
過去の提案書フォルダから「似た案件」を探し、テンプレートとして流用する。このファイル探しだけで15〜30分かかることがあります。特にファイル名が統一されていない場合、「あの提案書どこだっけ」から始まります。
2. 顧客情報の整理
ヒアリングで得た情報を提案書に反映するため、メモやメールを遡って情報を集める作業。商談メモが散在していると、この工程だけで30分以上かかります。
3. 構成の検討
「この顧客には何をどの順番で提案すべきか」を考える時間。毎回ゼロから考えると、構成だけで30分〜1時間。テンプレートがあっても、顧客ごとにカスタマイズが必要です。
4. 本文の執筆とデザイン
構成が決まっても、実際に文章を書き、デザインを整える作業が残ります。PowerPointで見栄えを調整する時間も含めると、ここが最も時間を食います。
5. PDF変換と最終チェック
完成した提案書をPDFに変換し、誤字脱字やデータの整合性をチェック。見落としがあれば修正→再変換のループに入ります。
これらを合計すると、1本あたり2〜3時間。月に8〜10本作成すれば、月20〜30時間が提案書作成だけに消えている計算です。
Claude Codeで96%削減を実現した仕組み
当社が96%の削減を達成した鍵は、「毎回考える工程を仕組みに変えた」ことです。
「カスタムスキル」という概念
Claude Codeには「カスタムスキル」という機能があります。これは、特定の業務手順をあらかじめ登録しておき、1コマンドで実行できるようにする仕組みです。
例えば、当社の提案書生成スキルでは以下が自動化されています。
- 顧客情報(業種・課題・規模・予算)をテキスト入力
- 過去の提案書テンプレートとフォーマットルールを自動参照
- 顧客の課題に合わせた提案内容を自動生成
- HTML形式で提案書をレイアウト
- PDFに自動変換
これら5工程が、1コマンド(「見積書作って」と入力するだけ)で完了します。
なぜ5分で終わるのか
残りの5分は「人間がやるべき作業」です。具体的には、Claude Codeが生成した提案書を確認し、顧客固有の事情(口頭で聞いた要望など)を反映する微調整の時間。生成→確認→微調整→送付、この4ステップが5分で完了します。
品質は落ちないのか
むしろ上がりました。理由は2つあります。
- テンプレートの品質が一定:カスタムスキルに登録したフォーマットは、過去の最高品質の提案書をベースに設計しています。人間が毎回ゼロから書くより、出力の品質にバラツキがありません
- 顧客情報の反映漏れがない:入力した顧客情報がテンプレートの全箇所に自動反映されるため、「会社名を書き間違えた」「課題と提案がズレている」といったミスが構造的に起きません
この仕組みを自社にも導入したいと思った方へ
Claude Codeのカスタムスキル設計から運用まで、経営者に伴走する「Claude Code顧問サービス」を提供しています。
実際の手順:5分で提案書を作る5ステップ
当社で実際に運用している手順を公開します。
Step 1:顧客情報をテキストで入力(1分)
Claude Codeを起動し、以下のように入力します。
見積書作って 顧客名:◯◯株式会社 業種:製造業 従業員数:15名 課題:在庫管理の属人化、月次レポート作成に丸1日かかる 予算:月額30〜50万円 提案サービス:AI顧問(竹プラン)
Step 2:過去テンプレート+ルールを自動参照(自動)
Claude Codeが自社のスキル定義ファイル(SKILL.md)を読み込み、以下を自動的に行います。
- 提案書のフォーマットルール(ヘッダー、フッター、カラーコード)を適用
- サービス内容(松/竹/梅プラン)の詳細を自動挿入
- 顧客の業種・課題に合わせた提案ロジックを構成
Step 3:提案書を自動生成(自動)
HTML形式で提案書が生成されます。カバーページ、課題整理、提案内容、料金表、スケジュール、会社紹介まで、提案書に必要な全セクションが自動的に構成されます。
Step 4:PDF自動変換(自動)
生成されたHTMLがPDFに自動変換されます。当社ではweasyprint(HTMLをPDFに変換するツール)を使用しています。
Step 5:確認・微調整・送付(4分)
生成されたPDFを開き、以下を確認します。
- 顧客名・金額が正しいか
- 提案内容が顧客の課題に合っているか
- 口頭で聞いた追加要望が反映されているか(なければ手動で追記)
確認が終わったら、メールに添付して送付。ここまでで5分です。
カスタムスキルの設計ポイント
96%削減を実現するカスタムスキルを作るには、3つの設計ポイントがあります。
1. テンプレートの品質で上限が決まる
AIが生成する提案書の品質は、登録したテンプレートの品質を超えません。過去に「これは完璧だった」と言える提案書をベースにテンプレート化してください。中途半端な提案書をベースにすると、毎回微調整が増え、削減効果が薄れます。
2. 変数設計が命
「顧客名」「業種」「課題」「予算」など、案件ごとに変わる情報を「変数」として設計します。変数が多すぎると入力が面倒になり、少なすぎるとカスタマイズ性が失われます。当社の経験では、5〜8個の変数が最適です。
3. 出力形式を統一する
HTML→PDFの変換パイプラインを一度作れば、以降は全ての提案書が同じ品質のデザインで出力されます。PowerPointで毎回デザインを調整する工程がゼロになるのは、この出力形式の統一によるものです。
Claude Code導入前の選択肢:プロジェクト機能から始める方法
「いきなりClaude Codeは難しそう」と感じた方には、Claudeの「プロジェクト機能」から始める方法があります。プロジェクト機能なら、月額$20(Pro)で今日から使えます。
プロジェクト機能での提案書作成
以下のカスタム指示をプロジェクト設定にコピペするだけで、提案書の品質が安定します。
あなたは法人向け提案書の作成アシスタントです。 【出力ルール】 - 構成:表紙→課題整理→提案内容→料金→スケジュール→会社紹介 - 文体:です・ます調。専門用語は初出時に説明 - 数値:具体的な削減率・時間・コストを必ず含める 【ナレッジに登録すべき情報】 - 自社サービスの概要・料金・実績 - 過去の受注提案書2〜3件(お手本として) - 業界別の課題テンプレート
プロジェクト機能 → Claude Codeへの進化パス
| プロジェクト機能 | Claude Code | |
|---|---|---|
| 月額 | $20 | $100 |
| 所要時間 | 15〜30分 | 5分 |
| 自動化 | 手動コピペ | 1コマンドで完結 |
| PDF変換 | 手動 | 自動 |
まずプロジェクト機能で効果を実感し、月額$100の投資に確信が持てたらClaude Codeに移行する。この段階的アプローチが最もリスクが低い導入方法です。
導入時の注意点と失敗を防ぐコツ
注意点1:最初のスキル設計には時間がかかる
96%削減は「スキルが完成した後」の数値です。スキルの初期設計には数時間〜1日かかります。しかし、一度作れば以降は1コマンドで繰り返し使えるため、2〜3本提案書を作った時点で投資回収できます。
注意点2:機密情報の取り扱い
提案書には顧客の機密情報が含まれます。Claude Codeはローカル環境で動作するため、クラウドに情報が送信されるリスクは低いですが、社内ガイドラインを事前に整備してください。
注意点3:最終確認は人間がやる
AIが生成した提案書をそのまま送るのは推奨しません。必ず人間の目で最終確認してください。特に金額、顧客名、日付は入念にチェックすべきポイントです。この「最終4分」を省略しないことが、品質を担保する鍵です。
まとめ
- 提案書作成のボトルネックは「毎回考える工程」。テンプレ探し、構成検討、デザイン調整の反復が時間を食っている
- カスタムスキルで「仕組み化」すれば96%削減は再現可能。テンプレート品質×変数設計×出力統一の3要素がポイント
- 初期設計に投資すれば、2〜3本で回収できる。月20〜30時間の削減効果は、年間で240〜360時間に相当する
提案書だけでなく、請求書(83%削減)やLP制作(99%削減)にも同じ考え方が応用できます。詳しくは「Claude ビジネス活用 完全ガイド」で解説しています。
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PDF/株式会社Saix 発行


