「税制改正の影響を調べて、顧問先ごとのチェックリストを作って、メールで送信して」——。こうした複数ステップにまたがる業務を、1回の指示で完了させるのが、完全自律型AIエージェント「Manus(マナス)」です。
Manusは従来のAIチャットとは異なり、指示を受けると自らWebを検索し、データを収集・分析し、ファイルを作成し、結果を納品するまでを自律的に実行します。人間が途中で追加指示を出す必要がなく、「丸投げ」が可能なAIです。
本記事では、Manusの特徴から税理士事務所での活用例まで、実践的に解説します。
本記事で紹介したManus AIの活用法は、会計事務所のAI活用における一つのテーマです。課題解決からツール選定、導入ステップまで含めた全体像は以下のガイドで解説しています。
Manusとは?従来AIとの決定的な違い

Manus(マナス)は、中国のAIスタートアップが開発した完全自律型AIエージェントです。ChatGPTが「1問1答」、Claude Codeが「対話的な開発」であるのに対し、Manusは「タスクの丸投げ」に特化しています。
Manusの3つの特徴
1. 複数ステップを自律的に実行
「調査→分析→レポート作成→ファイル出力」という一連の工程を、1回の指示で自律的に実行します。途中経過は画面で確認でき、完了後に成果物をダウンロードできます。
2. Webブラウジングが可能
指示に基づいてWeb検索を行い、必要な情報を自ら収集します。最新のニュースや公的機関の情報を調査する作業をAIに任せられます。
3. ファイル生成・データ処理
Excel、PDF、PowerPointなどのファイルを自動生成できます。調査結果をExcelにまとめたり、レポートをPDFで出力したりと、実務で使えるアウトプットを直接作成します。
税理士がManusを使うべき3つの理由

理由1 — 「調べて→まとめて→出力して」を1回の指示で完了
従来なら複数のツールを使い分けていた作業が、Manusへの1回の指示で完結します。所長の「指示出し→完了確認」だけで業務が進むため、空いた時間を顧問先対応に充てられます。
理由2 — 業界調査・競合分析をAIに丸投げできる
顧問先の業界動向を調査してレポートにまとめる作業は、Manusの得意分野です。「○○業界の市場規模と主要プレイヤーを調べてExcelにまとめて」と指示するだけで、数十分後にレポートが完成します。
理由3 — 繁忙期の「付加価値業務」を生み出せる
確定申告や決算の繁忙期に、付加価値の高い経営アドバイスや業界レポートを提供する余裕がなかった事務所でも、Manusに調査とレポート作成を任せることで、付加価値サービスを維持できます。
税理士事務所でのManus活用例4選

①顧問先業界の市場調査レポート
指示例:
日本の建設業界について、2025〜2026年の市場規模、主要課題、法改正の動向を調査し、A4で5ページのレポートをPDFで作成してください。会計事務所が顧問先に提供する資料として使います。
②税制改正の影響分析
指示例:
令和8年度税制改正の中小企業関連項目を調査し、業種別(飲食・小売・製造・建設・IT)に影響度を整理したExcelファイルを作成してください。
③補助金・助成金の最新情報レポート
指示例:
2026年4月時点で中小企業が申請可能な補助金・助成金を調査し、名称・概要・補助率・申請期限・対象業種をExcelにまとめてください。
④競合事務所の差別化リサーチ
指示例:
東京都内でAI活用を打ち出している会計事務所・税理士法人を5社調査し、サービス内容・料金体系・差別化ポイントを比較表にまとめてください。
ここまで、Manusを使った「丸投げ」型のAI活用について解説してきました。
「Manusのような高度なAIの前に、まず基本的なAI活用を事務所内で定着させたい」
——そう感じた方も多いのではないでしょうか。
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Manusの始め方【3ステップ】

Step1 — Manusにアカウント登録
manus.imにアクセスし、アカウントを作成します。招待制の場合もありますが、ウェイトリストに登録すればアクセスが得られます。
Step2 — 簡単な調査タスクを依頼
まずは「○○について調べてまとめて」という簡単な調査から試してみてください。Manusが自律的にWeb検索→分析→レポート作成を行う流れを体験できます。
Step3 — 実務の調査・レポート作成に活用
基本操作に慣れたら、前述の活用例を参考に、顧問先向けの業界レポートや税制改正の影響分析に活用しましょう。
活用時の注意点

調査結果のファクトチェック
Manusが自律的に収集した情報は、必ず主要な数値やデータの原典を確認してください。特に税率や法令の条文番号は、公式情報での裏取りが必須です。
機密情報を指示文に含めない
顧問先の社名や具体的な財務データを指示文に含めないでください。「中小の製造業A社」のように匿名化した上で依頼しましょう。
生成ファイルの品質確認
Excel やPDFのレイアウトが期待通りでない場合は、追加指示で修正を依頼できます。最終的な顧問先提出前には必ず目視確認を行ってください。
まとめ — AIに「丸投げ」できる時代の到来

本記事では、完全自律型AIエージェント「Manus」を税理士業務に活用する方法を解説しました。
要点を3つにまとめます:
✔ Manusは調査→分析→レポート作成を1回の指示で自律的に実行するAIエージェント
✔ 業界調査・税制改正分析・補助金リサーチなど、付加価値業務をAIに丸投げできる
✔ 繁忙期でも顧問先への付加価値サービスを維持できる
AIの進化は「手伝ってもらう」段階から「任せる」段階へと移っています。Manusを活用して、所長の時間を最も価値の高い業務に集中させましょう。
本記事では、完全自律型AIエージェント「Manus」を税理士事務所の業務に活かす方法を解説しました。
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杉田 海地(Kaichi Sugita)
株式会社Saix 代表取締役社長
公認会計士・税理士向けAI活用支援の専門家。THE CXO様をはじめ、延べ130名以上の会計士・税理士にAI研修を実施。受講者の業務時間を平均45%削減し、満足度4.57/5.00を記録。月次報告書作成の75%短縮、記帳代行業務の1/10化など、士業の現場で実証済みの成果を持つ。元リクルート出身。YouTube「かいちのAI大学」登録者4.4万人超。






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