全12回の伴走型AI研修で業務効率化|メディアハウスHD様の導入事例

全12回の伴走型AI研修でメディアハウスHD様の業務効率を改善

「AIを導入したが、結局は一部の社員しか使っていない」——このような悩みを抱える企業は少なくありません。

ツールの操作研修を1〜2回実施しただけでは、現場に定着しないのが実情です。日々の業務が忙しい中で、学んだことを実際のワークフローに組み込むには、継続的なサポートが欠かせません。

本記事では、広告運用・レポーティング・制作事業を展開する株式会社メディアハウスホールディングス様に対して実施した、全12回・週次の伴走型AI研修の全容を紹介します。前半で基礎力を底上げし、後半で現場課題を個別に解決していくカリキュラムが、どのような成果につながったのかを詳しくお伝えします。

目次

メディアハウスHD様が抱えていた課題

全12回の伴走型AI研修プログラム 前半は共通言語化 後半は現場課題Q&A
全12回・週次伴走型AI研修の全体フロー

株式会社メディアハウスホールディングスは、広告運用・レポーティング・制作を中心に事業を展開する企業です。デジタルマーケティング領域で高い専門性を持つ一方、AI活用においては次のような課題がありました。

広告運用・レポーティングの工数と属人性

広告運用のレポート作成や分析作業は、担当者の経験とスキルに大きく依存していました。ベテラン社員が抜けると品質が落ちる、新人が一人前になるまでに時間がかかる、といった属人性の問題は、組織の成長にとって大きなボトルネックです。

加えて、レポーティング業務は毎月一定の工数が発生し、繰り返し作業も多い。「この時間をもっと戦略的な業務に充てたい」という現場の声は以前からあったものの、具体的な解決策には至っていませんでした。

制作領域のスピードと品質の両立

バナーやLP制作など、クリエイティブ領域でも課題は明確でした。クライアントからの要望に迅速に対応しつつ、一定以上のクオリティを維持する。この両立は、限られた人員で多くの案件を回す現場にとって常に難題です。

AIの可能性は理解していても、「何から始めればいいかわからない」「とりあえず触ってみたが業務には使えなかった」という状態が続いていました。

単発研修では定着しなかった過去の経験

実は同社では、以前にも単発のAI研修を検討・検討した経験がありました。しかし、1〜2回のセミナー形式では現場への浸透が難しく、研修で学んだことが日常業務に反映されないまま終わるリスクが懸念されていました。「学ぶ」だけでなく「使い続ける」仕組みが必要だと、経営層は認識していたのです。

全12回・週次伴走型AI研修の設計と内容

こうした課題に対して、株式会社Saixでは全12回・週次の伴走型AI研修プログラムを設計・実施しました。研修は大きく前半(第1〜6回)と後半(第7〜12回)に分かれ、それぞれ異なる目的を持っています。

前半(第1〜6回):共通言語の構築と基礎力の底上げ

前半6回の目的は、チーム全体で「AIの共通言語」を作ることです。

生成AIに対する理解度は社員ごとにばらつきがあります。日常的にChatGPTを使いこなしている人もいれば、アカウントすら作っていない人もいる。この状態で高度な活用を目指しても、チームとしての底上げにはつながりません。

前半では以下のテーマを段階的に扱いました。

  • 生成AIの基本的な仕組みと各ツールの使い分け
  • プロンプト設計の基礎と実践(指示の出し方で出力が変わる体感)
  • 広告運用・レポーティング業務における具体的なAI活用パターン
  • AIを業務フローのどこに組み込むかの設計思考

毎回の研修は「講義+ハンズオン+振り返り」の3部構成です。座学だけで終わらせず、必ずその場で手を動かし、自分の業務に引き寄せて考える時間を設けました。

後半(第7〜12回):現場課題に即したQ&A・ケースレビュー

後半6回は、前半で身につけた基礎力を「自分の業務」に適用するフェーズです。

研修の形式も大きく変わります。講義中心ではなく、参加者が持ち込んだ実際の業務課題に対して、講師がその場でAIを使った解決策を提示する「ライブQ&A」方式を採用しました。

たとえば、こんなやり取りがありました。

  • 「月次レポートの作成に毎回3時間かかっている。どう効率化できるか」
  • 「クライアントごとに微妙に違うレポートフォーマットを、AIで統一処理できないか」
  • 「バナーのコピーライティングでAIを使いたいが、ブランドトーンを守れるか」

これらの質問に対して、その場でプロンプトを設計し、実際に動かして見せる。うまくいかなければ、なぜうまくいかないのかを一緒に分析する。この「リアルタイムの問題解決」が、後半研修の核です。

ケースレビューでは、参加者が前週に試したAI活用の成功事例・失敗事例を共有し、全員で改善策を検討しました。他の人の試行錯誤を見ることで、「自分もやってみよう」という動機が自然に生まれます。

「研修を受けても現場で使われない」という課題をお持ちの方も多いのではないでしょうか。AI研修で実務定着まで成果を出す企業には、共通するアプローチがあります。

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研修を通じて得られた成果

全12回の研修を終えた時点で、メディアハウスホールディングス様では以下のような変化が確認されています。

業務効率の大幅な改善

レポーティング業務やデータ整理など、定型的な作業の工数が大きく削減されました。これまで数時間かかっていた月次レポートの下準備が、AIの活用により大幅に短縮。浮いた時間を戦略立案やクライアントとのコミュニケーションに充てられるようになりました。

広告運用においても、分析の初動スピードが向上しています。AIにデータの一次分析を任せ、人間はその結果を解釈して判断する。この役割分担が自然に定着したことで、業務全体のスピードが上がりました。

AI活用の定着とチーム全体のスキル底上げ

全12回の伴走があったことで、「研修が終わったらAIを使わなくなった」という事態を防ぐことができました。毎週の研修が「AIを使う習慣」を形成し、12週間後にはAIが業務ツールの一つとして自然に組み込まれた状態になっています。

特筆すべきは、初期段階ではAIに苦手意識を持っていた社員も、後半の研修では自ら課題を持ち込み、積極的に質問するようになっていた点です。共通言語ができたことで、チーム内でAI活用のノウハウを共有する動きも生まれています。

品質の安定と属人性の低減

プロンプトのテンプレート化やAIを活用した業務フローの標準化により、担当者による品質のばらつきが軽減されました。新人でもテンプレートに沿ってAIを使えば、ベテランに近い品質のアウトプットを出せる状態が作れるようになっています。

属人性の問題は、単にマニュアルを作るだけでは解決しません。AIという「再現可能な作業パートナー」を業務フローに組み込むことで、初めて実質的な解決につながります。

成功につながった4つのポイント

今回の研修がなぜ成果につながったのか。振り返ると、以下の4つのポイントが決定的でした。

1. 週次の伴走が「習慣化」を生んだ

月1回の研修では、次の研修までの間にAIを使わない期間が長くなり、学んだことを忘れてしまいます。週次で12回という頻度は、「毎週AIを使う理由がある」状態を維持するのに最適でした。人間の習慣形成には最低でも8〜12週間が必要とされていますが、全12回の週次研修はまさにその条件を満たしています。

2. 前半と後半で目的を明確に分けた

前半は「全員を同じスタートラインに立たせる」、後半は「個別の課題を解決する」。この設計により、AIリテラシーの高い社員も低い社員も、それぞれが研修に価値を感じられる構成になりました。前半で退屈した社員も後半のQ&Aで本領を発揮し、前半で苦労した社員も後半のケースレビューで「自分にもできそうだ」と感じる。全員にとって意味のある12回でした。

3. 現場の課題を直接扱った

汎用的なAI研修ではなく、広告運用・レポーティング・制作という同社の実業務に焦点を当てたことが大きな違いです。「一般的にAIでこんなことができる」ではなく、「あなたの月次レポート作成をAIでこう変える」という具体性が、参加者の納得感と実行意欲を引き出しました。

4. プロンプト設計と業務フロー組込みの両輪

「AIにうまく指示を出すスキル」と「AIを業務のどこに組み込むか考えるスキル」は別物です。今回の研修では、この2つを両輪として扱いました。プロンプトが書けても、業務フローへの組込み方がわからなければ現場では使えません。逆に、組込み先は見えていてもプロンプトが書けなければ成果は出ない。両方を同時に鍛えたことが、定着の速さにつながっています。

まとめ|AI研修は「伴走」で初めて定着する

株式会社メディアハウスホールディングス様の事例は、AI研修の効果が「回数」と「伴走の質」に大きく左右されることを示しています。

単発の研修で知識を伝えることはできても、それが現場の行動変容につながるかは別の問題です。全12回・週次という頻度で、前半に共通言語を作り、後半に個別課題を潰していく。この設計が、工数削減・スピード向上・品質安定・属人性低減という複数の成果を同時に実現しました。

「研修を導入しても現場で使われない」という壁は、多くの企業が直面する課題です。その壁を越えるのは、1回きりの刺激ではなく、12週間かけて組織に根付かせる伴走型のアプローチです。

AI活用を本気で定着させたいと考えている企業の方に、本事例が参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

株式会社Saix代表取締役

延べ4,000名以上にAI研修を実施|YouTube「かいちのAI大学」登録者約5万人|北の達人コーポレーション、ライトアップ、メディアハウスホールディングス、AnyMind Japanなど、東証プライム上場企業から中小企業向けの生成AI研修や経営者向けのAIコンサルティングを行う|会計事務所・税理士向けAI研修延べ130名以上の実績|その他メディア掲載複数(TechTrends、アットリビングなど)

「AIを使ってAIを広める」をコンセプトに、AI人材育成・AI顧問コンサルティング・AIコンテンツマーケティング支援の3事業を展開。

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